昔の女性の寿命は更年期を迎える前に終わっていた(図の引用:「更年期からの輝き(小池浩司著)」)。この事実は人類も含めた多くの霊長類の寿命の研究から明らかにされています。
今からおよそ450万年前にアフリカで人類が誕生して以来、つい最近(今から200年位まえ)までは、女性の平均寿命は40歳前後でした。ところが、閉経の年齢は昔からあまり変わらず、およそ50歳前後です。つまり本来、女性の寿命は更年期を迎える前(40歳前後)に終わっていたのです。しかし平均寿命の40歳を越えてさらに長生きした女性のためにと、神様は平均寿命より10年ほど長く(つまり50歳前後まで)卵巣に寿命を与えたとも考えられます。ですから、昔は大多数の女性は、生きている間はずっと卵巣から分泌される女性ホルモンに支えられて人生を過ごし、閉経を迎える前に、つまりホルモンが無くなる前に、寿命を終えていた訳です。
この地球上の生き物の全てが、およそ子孫を残せなくなる年齢、つまり更年期周辺で亡くなります。この事実と考え合わせれば、我々人類とて、地球上の一つの生き物に過ぎないのですから閉経を迎える前に寿命を終えるように運命づけられていたとしても、別に不思議なことではありません。ですから、昔の女性にとっては、生理が止まる年齢まで生きたとしたら、つまり閉経まで生きたら、これは「随分長生きした」ということでした。
ところが、社会の変化、つまり衛生状態や栄養状態の改善、医学の進歩に伴って、女性の平均寿命も徐々にのびてきました。そして今からおよそ70年前には女性の平均寿命が丁度閉経となる年齢、50歳に達し、まさに閉経を迎える頃に寿命を全うすることとなったのです。それから僅か70年間に女性の平均寿命は恐ろしいスピードでおよそ40年も延び、今や、女性の平均寿命は90歳に迫っています。つまり、神様が予め、長生きした女性のためにと、女性の寿命より10年ほど長く定めた、卵巣の寿命を越えて、さらに40年も長く生きる時代が来てしまったのです。