骨盤内の左右にある卵巣から2種類のホルモン、エストロゲンと黄体ホルモンが、リズムをもって血液中に分泌されると、これが全身をめぐってからだのいたるところでいろんな作用を示し、女の子の身体を「女性のからだ」に作り変えます(図の引用:「更年期からの輝き(小池浩司著))。
例えば胸に作用して乳腺の発育を促して女性特有の乳房を作りますし、また子宮に作用して毎月一回の月経を起こさせます。また、頭部に作用してフサフサとした髪の毛を育て、さらに皮膚に作用しますと女性特有のスベスベした弾力のある肌を作り出します。ですから思春期に女性が「女らしい体つき」になってゆくのはこの女性ホルモンの作用によるのです。この女性ホルモンの分泌は20歳代、30歳代と言った「女盛り」にピークを迎えます。つまり、女性の若さと美しさを作り出しているのが女性ホルモンといえます。
体の中で作られている「エストロゲン」の主なものは4種類あります。番号が1番から4番まで付けられています。1番から順に、エストロン、エストラジオール、エストリオール、エステトロールと呼ばれています。1番と2番のエストロゲンは女性の卵巣で作られますが、3番目のエストロゲン(エストリオール)は主に肝臓や妊娠中の胎盤で、4番目のエストロゲン(エステトロール)は妊娠中の胎児の肝臓でのみ生成される天然型エストロゲンです。
この4つのエストロゲン中で最も女性ホルモンとして活性が強い「エストロゲン」が2番目のエストラジオールです(ちなみに1番目のエストロンの活性はエストラジオールの十分の一位です)。さて、卵巣から分泌された「エストロゲン」は卵巣静脈に入り、大静脈を経由してやがて心臓に到達します(その際に、肝臓を通過しません)。心臓に入った「エストロゲン」は全身に運ばれ、いろんな作用をして、女性の若さと美しさを作り出しているという訳です。つまり、女性ホルモンの主な役割は「魅力ある女性をつくり、男性を近づけさせ、生殖活動を行なって子孫を繁栄させる」といった一連の「種の保存」に関わる舞台を作りだすことであるといえます。
参照:
1)小池浩司 テレビ出演から NHK「健康の達人」:「女性若返り・アンチエイジング」
2)小池浩司執筆: 更年期からのアンチエイジング:HRTとプラセンタ療法を中心に
日本女性医学学会雑誌 20巻3号 pp.450-455/ 和文誌/ 2013年
3)小池浩司執筆: ホルモン療法実践マニュアル:閉経後の泌尿生殖器症状
産科と婦人科 80巻(suppl)pp.318-323/ 和文誌/ 2013年