人類が誕生して以来、つい最近まで女性は生きている間はずっと月経がありました。ところが平均寿命が延び、閉経を越えて生きることがおよそ70年前から普通となりました。そして平均寿命が約90才となった現在、月経のない時期、つまりホルモンの無い生活を送ることとなったのです。
しかし40年間をホルモン無しで過ごすことは、丁度「エンジンオイル無しで走る車」のようなもので、40年以上も、その間ホルモン欠乏症状に悩まされる訳です。といっても、一般的に知られているホットフラッシュなどの更年期症状以外の症状は、それが「ホルモン欠乏による」悩みだとなかなか気づかないことも多いです。そのなかでも、意外と気づかれていないものに、脱力感、無気力、集中力の欠如、不眠、イライラ、不安感、抑うつ状態等の精神神経症状があります。これらの症状はどの症状をとりあげても、「死に至る病」に発展するような、重大な症状ではありません。そして、「医者に見てもらうほどでもない」一見取るに足らない症状なのです。
しかし、「生活の質」という観点から見れば、そして、閉経後40年近くもずっと続く症状となれば、「取るに足らない症状」として片づけられない、実に重大な問題なのです。脱力感、無気力、集中力の欠如などを背負ったまま生活する事は丁度、「白黒の映画の世界」で生活しているようなものです。「白黒の世界での生活」は、生活それ自体は、これといって特別に不自由するわけではないけれど、その生活は「カラーの世界での生活」に比べ、実に味気のない生活なのです。そして、多くの人が、更年期を境に「カラーの世界」から「白黒の世界」にそれとなく、入ってしまっているのです。そして、それが、ホルモンが欠乏したための症状であるとは思わず、「年をとったため」だとか、「単なる身体の自然な変化」だと思い、何も疑問を持たずに、40年近く続くその生活を受け入れてしまうのです。
ですから、女性ホルモンを補うことで再び「カラーの世界」に戻ることが可能であることを多くの女性が知りません。たまたま、更年期障害や骨粗鬆症でホルモン補充療法を受けた女性の多くが、それらの症状の改善とともに、「白黒の世界」から「カラーの世界」に精神状態が戻ったことに気がつき、そこで初めて、自分が「白黒の世界」にいた事、そしてホルモン補充療法が「カラーの世界」に精神状態を戻してくれることを実感しうるのです。