緊急避妊

緊急避妊とは避妊を行わなかった、
あるいは避妊に失敗した場合の緊急避難的な避妊法です。

アフターピル(緊急避妊ピル)がよく知られていますが、出産経験がある場合には、子宮内避妊器具を留置するという方法もあります。いずれの場合でもできるだけ早期に受診することで高い避妊効果が得られます。

緊急避妊ピル

日本で認可されている緊急避妊ピルによる避妊法は2種類です。

  • LNG法 レボノルゲストレル錠を用いた緊急避妊法です。
  • ヤッペ法 中用量ピルであるプラノバール錠を用いた緊急避妊法です。

その他、海外ではSPRM (selective progesterone receptor modulator)という種類の子宮筋腫の治療薬(エラワン/エラ)を利用して緊急避妊が行われています。

日本でも、子宮筋腫治療を目的として治験が行われていましたが、途中で海外で重篤な肝障害が生じたとの報告が入り、治験は中止されてしまいました。

そのため、日本では未承認の薬となります。緊急避妊ピルとしての1回投与であれば副作用リスクも低いと考えられ、医療機関によっては輸入して自由診療が行われることもありますが、未承認薬であること・日本人を対象とした安全性の確認が得られていないことから、当院では現時点で取り扱っておりません。

子宮内避妊器具

緊急避妊法の中であまり一般的に知られていない治療法です。
しかし、120時間(5日)以内であれば妊娠率が0.1%未満と非常に低く、緊急避妊後はそのまま避妊に移行することもできます。ただし、緊急避妊ピルと違って子宮の中に避妊器具を留置する必要がありますので、出産(経腟分娩)の経験がなければ留置の際に強い痛みを伴うことがあります。

緊急避妊後について

「緊急避妊」というのは読んで字のごとく「緊急」の時に使うものです。緊急事態というものはできれば避けたいと思われる方も多いのではないでしょうか。
避妊法として最も優れている(避妊効果が高い)のは現時点では「低用量ピル」と「子宮内避妊器具」です。
これらの避妊法を今後始めてみたい、相談してみたいと思われた方はお気軽にお声がけください。診察時に併せて情報提供させていただきます。