思春期のからだの変化に、戸惑っていませんか?
思春期にはホルモンバランスの影響で、さまざまな体と心の変化が起こります。その中で「生理がつらい」「朝起きられない」といった症状を感じている子どもたちも少なくありません。
でも、思春期の女性は、病気を疑ったらどこにかかるのが良いのでしょうか。小児科? 内科? 産婦人科?
その判断は難しいと思います。生理の悩みであれば産婦人科ですし、摂食障害やうつなど、精神科の受診が必要な場合もあります。子宮頸がんワクチンや起立性調節障害などであれば、思春期女性を対象に診療していれば、どこを選んでもまちがいではないでしょう。
小池レディスクリニックでは、思春期から老年期まで幅広い年齢層の女性の健康の悩みを専門とする女性ヘルスケア専門医と、日本思春期学会認定思春期医学認定研究者が対応します。
生理の悩み(思春期月経困難症・過多月経・無月経)
何らかの月経の不快症状を経験している中高生は、実に約70%と言われています。
毎月寝込むほどの痛みがある、生理が来ない、出血量が多すぎる…といった状態は、もしかすると子宮内膜症などの病気が隠れているかもしれません。
「みんな痛いけれど我慢しているから…」と無理せず、どうぞ私たちにご相談ください。検査で器質的な異常が見つからない場合でも、ホルモンバランスの調整を目的とした治療が可能です。ピルやその他の薬剤による月経コントロールなど、年齢に応じた治療法があります。
産婦人科といえば内診が必須なのでは…と心配かもしれませんが、内診は必ずしも必要な検査ではありません。特に性交経験がない思春期の方には、必要に応じて提携先でのMRI検査での診断も可能です。
また、受験や修学旅行など、様々なイベントで生理が重なりそうな時も、どうぞご相談ください。「生理を移動する」と聞くと「怖い」「そんなことして大丈夫なの?」と思われるかもしれません。しかし、安全に生理の時期を移動させる方法を私たちは熟知しています。この場合も内診は基本的に必要ありません。
一方で、15歳までに生理が来ない場合は遅発月経と言って、何らかのホルモン異常や生まれつきの病気(染色体異常など)、脳腫瘍などが隠れている可能性があり、産婦人科で診察を受けることをお勧めします。
起立性調節障害(OD)/体位性頻脈症候群(POTS)
「朝起きられない」「午前中はだるくて学校に行けない」「午後になると元気になる」…そんな症状がある場合、「起立性調節障害」かもしれません。思春期の子どもの5〜10%に見られるとされています。
上記のような訴えの特徴から怠けていると誤解されがちですが、これは身体の病気です。さらに、そのうちの多くは、立ち上がった時に血圧の低下よりも頻脈になることが症状の主な原因になる「体位性頻脈症候群(POTS)」と呼ばれるタイプに分類されます。どちらも女子に多いとされています。
下半身の筋力不足、血液(体の水分)量の不足、神経伝達物質のノルアドレナリンが過剰に出ている…等々、様々な原因があります。繰り返しますが、「怠けている」わけではありません。「精神力が足りない」とか「やる気がない」ということではありません。多くの患者さんは「本当は学校に行きたいのに、体がついていかず行けない」ことに悩んでいます。
この病気は、適切な診断と生活指導、必要に応じた内服治療で改善が見込めます。そして、治療にはご家族をはじめ、周囲の人々のご理解とご協力(「怠けてないで学校へ行け」などの心無い言葉をかけないなど)が必要です。
すぐに治すことは難しくても、段階を追って徐々に学校生活に復帰していくことができれば、例えば進学などの環境の変化を機に一気に改善することもあります。