外陰部の不快感でお困りの方へ
〜かゆみ・ヒリヒリ・乾燥感など、気になる症状はご相談ください〜
外陰部のかゆみ・痛み・違和感・乾燥・赤み・ただれなど、なんとなく気になるけれど「相談しづらい」と感じていませんか?
実は、外陰部の不快感は年齢やライフステージに関係なく多くの女性が経験する症状です。気になる症状があれば、がまんせずに婦人科にご相談ください。
よくある症状
- 外陰部のかゆみ、ヒリヒリ感、灼熱感
- 乾燥、つっぱり、ザラザラした違和感
- 下着やナプキンが当たると痛い
- 性交時の痛み(外陰部に限局したもの)
- 色素沈着、赤み、ただれ、湿疹のような変化
- 排尿時にしみる、尿道周囲の不快感
考えられる主な原因
外陰部の不快感の原因は1つではありません。複数の要因が重なっていることも多く、丁寧な診察と問診が重要です。
扁平苔癬や外陰白斑といった慢性の皮膚病変、あるいは湿疹や接触性皮膚炎のような一時的な反応など、皮膚科的な病変が隠れていることもあります。
その場合は皮膚科とも連携が必要になります。
詳しい原因についてはコチラ(クリックで表示)
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| カンジダ膣炎 | 白いボロボロとした(ヨーグルト状、酒粕状)おりもの、強いかゆみ、灼熱感(ヒリヒリ) |
| 細菌性膣炎 | 色(黄色・黄緑色など)のついたおりものの増加、痛み・かゆみ・におい |
| 萎縮性膣炎(閉経後) | 不正出血、ヒリヒリ、性交痛 |
| 外陰部接触皮膚炎 | ナプキン・石けん・下着などによるかぶれ |
| GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群) | 膣・外陰・尿道の慢性的乾燥・痛み・炎症 |
| 性感染症(性病) | おりものの異常、外陰部の痛み、水疱、腫瘤など(クラミジア、ヘルペス、コンジローマなど) |
| その他(皮膚疾患) | 湿疹、にきび、扁平苔癬、外陰白斑などの皮膚病変 |
診療の流れ
- 1.問診・視診:
- お悩みの症状や生活習慣、治療歴(直近での抗菌薬の使用など)、スキンケアの内容などもお伺いします。必要があれば内診・膣分泌物の検査も行います。
- 2.必要な検査の実施:
- 膣炎や性感染症の検査、尿検査を行います。
- 3.原因に応じた治療:
- 感染症の場合は内服薬や膣錠・軟膏などを用いて治療します。閉経後の萎縮性変化やGSMには保湿剤やホルモン療法をご提案します。
よくあるご質問(FAQ)
Q 市販の軟膏を塗ってもよくなりません。受診したほうがいいですか?
A はい。外陰部の皮膚はとても繊細で、自己判断での薬の使用によりかえって悪化するケースもあります。医師の診断のもと適切な治療を受けましょう。
Q 閉経後でおりものもないのに、外陰部がヒリヒリします。
A閉経後には女性ホルモンの低下によって外陰〜膣の粘膜が薄くなり、乾燥や痛みを感じやすくなります(GSM)。更には細菌や真菌にも感染しやすくなります。
そのため、国際的なガイドラインでは、まず女性ホルモンを補う治療(ホルモン補充療法)を第一選択とするのが一般的です。
日本ではガイドラインでの取り決めがないため抗菌薬が先に使われることもありますが、原因を見極めて根本的な治療を行うことが大切です。
Q よく繰り返すので、またなったときのために薬を多めに出してほしいのですが・・・
A 実は、感染症に対する抗菌薬治療というのは単純ではありません。きちんとした診断なく誤った種類の抗菌薬を使ってしまうとかえってひどくなったり、本当に必要な時に菌が耐性化してしまい、薬が効きにくくなってしまうこともあります。
病院で処方される薬が薬局等で簡単に購入できない理由がここにあります。治療が終わったとき、もし薬が余っていたとしても、自己判断では使用せず、症状があるときは必ず受診してください。
最後に
外陰部の不快感は「がまんすれば治る」ものではなく、放置することで慢性化したり、別の病気が隠れていたりすることもあります。
気になる症状があるときは、どうぞお気軽に婦人科へご相談ください。