予防接種のご案内
なぜ予防接種が必要なの?
予防接種とは、その名の通り感染症を未然に防ぐために開発された医療手段です。
なぜ予防が必要なのか、なぜワクチンが開発されてきたのか
私たちはつい最近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を通じて、ワクチンが開発される過程を実際に経験しました。全世界で医療崩壊を引き起こし、多くの犠牲者を出したこの感染症を発症させずに済ませたい。たとえ発症しても重症化を防ぎたい。そんな思いから、類を見ないスピードでワクチンが開発されました。
現在存在する他のワクチンも、開発の経緯はすべて同様です。それぞれの恐ろしい感染症に悩まされた当時の人々が必死の思いで開発してきたものなのです。最も成功したワクチンは「天然痘ワクチン」で、現在、この感染症は撲滅されこの世に存在しません。「ポリオワクチン」も重篤な小児麻痺を引き起こすポリオを撲滅しつつあります。そして、産婦人科領域では子宮頸がんの撲滅を目指した「HPVワクチン」の接種が世界中で行われており、接種の進んでいる国では実際に発症率の減少が確認されています。
当院では、さまざまな感染症を予防するためのワクチン接種を行っています。ご自身の健康はもちろん、ご家族や周囲の大切な人たちを守るためにも、予防接種は重要な手段のひとつです。ワクチンの種類や接種のタイミングについて、どうぞお気軽にご相談ください。
HPVワクチン(子宮頸がん予防)
| 対象 | 小学校6年生~高校1年相当の女子(全額公費負担)、男子(原則自己負担、公費助成は自治体ごとに異なります) |
|---|---|
| 接種回数 | 2〜3回(ワクチンの種類と年齢により異なります) |
| 内容 | HPV感染を予防し、将来の子宮頸がんリスクを大きく下げます。 |
| 備考 | 9価ワクチンを推奨しています。15歳以上で初回接種する場合は3回接種が必要です。 1回あたり3万円(税込み)と比較的高額なため、可能な限り全額公費負担となる定期接種期間中の接種をおすすめします。 また、2025年8月から、9価ワクチンの男性への接種(中咽頭がん・肛門がん・尖圭コンジローマの予防効果)も承認されています。 予防効果は女性と同じく性的デビュー前が最も高くなります。 ご希望があれば当院でも接種可能ですが、任意接種のため基本的には全額自己負担となります。 費用は女性と同じく1回あたり3万円(税込み)で、3回(15歳未満は2回)の接種が必要です。 |
帯状疱疹ワクチン
| 対象 | 50歳以上の方 |
|---|---|
| 接種回数 | 2回(不活化ワクチン:シングリックス) |
| 内容 | 帯状疱疹の発症と重症化、後遺症(神経痛)を予防します。 |
| 備考 | 免疫低下状態にある方にも接種可能です。 |
65歳以上は一部公費負担となる可能性がありますので、お問い合わせください。
肺炎球菌ワクチン
| 対象 | 65歳以上の方(定期接種対象)、それ以外は任意接種 |
|---|---|
| 接種回数 | 1回(5年以上間隔を空けて再接種も可) |
| 内容 | 肺炎、とくに重症肺炎の予防に有効です。 |
| 備考 | 公費対象者には接種券が配布されます。 |
RSウイルスワクチン(成人向け)
| 対象 | 60歳以上、または基礎疾患のある成人、妊婦(妊娠24~36週) |
|---|---|
| 接種回数 | 1回 |
| 内容 | ウイルスによる呼吸器感染症の重症化を防ぎます。 妊婦に対する接種では、生まれて6か月までの赤ちゃんの呼吸器感染症の重症化を防ぎます。 |
| 備考 | 2024年から接種が開始された新しいワクチンです。 |
風疹ワクチン、麻疹・風疹混合(MR)ワクチン
| 対象 | 妊娠希望の女性、抗体価が低い成人 |
|---|---|
| 接種回数 | 1-2回(大阪市の公費助成は1回限り) |
| 内容 | 妊娠中の風疹感染は胎児に影響を与える可能性があるため、妊娠前の接種が推奨されます。 |
| 備考 | 抗体検査も当院で実施可能です。 |
インフルエンザワクチン(流行期のみ)
| 対象 | すべての年齢の方(特に高齢者・妊婦・基礎疾患のある方) |
|---|---|
| 接種回数 | 年1回(13歳未満は2回) |
| 内容 | インフルエンザウイルスの感染・重症化を予防します。 |
| 備考 |
毎年秋から冬にかけて接種を行います。 65歳以上は一部公費負担となります。 基本的に予約制ですが、在庫により当日接種可能な場合もありますので、お問い合わせください。 ご不明な点や接種時期については、診察時またはお電話でお気軽にお問い合わせください。 |