がん検診

〜子宮がん・乳がん・大腸がんの早期発見を目指して〜

当院では、女性に多いがんを対象とした検診を行っています。がんは早期に発見し、適切に治療すれば治癒が期待できる時代になっています。
ただし、科学的に検診の有効性が確認されているがんは限られており、子宮頸がんや乳がんなど、ごく一部です。

その中でも婦人科が関わるがんの多くは、定期的な検診によって早期発見が可能なものが多いため、当院でも積極的に対応しています。
以下に、当院で行っている主な「がん検診」についてご紹介します。

子宮頸がん検診

対象部位:子宮の入口(子宮頸部)

子宮頸がんは20代から増え始め、30〜40代の女性に特に多く見られます。
20~30代の女性が罹患する最も多いがんでもあります。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因とされており、ワクチンと定期的な検診で予防・早期発見が可能です。

検査方法:
子宮頸部を専用のブラシで軽くこすって細胞を採取(細胞診)します。
痛みはほとんどなく、数分で終わります。必要に応じてHPV検査も併用します。
詳しくは(検査ページへ)
推奨頻度:
20歳以上の性交経験のある女性は2年に1回の検診が推奨されています。
ただし、20-30歳代については頻度が高いため、できれば1年に1回の検診が推奨されます(任意検診となります)。
ピル内服中やホルモン療法中の場合も同様です。

子宮体がん検診

対象部位:子宮の奥(子宮内膜)

閉経前後の女性や、月経不順・不正出血がある方に多く見られます。
特に肥満・糖尿病・未出産の方はリスクが高まるため注意が必要です。

検査方法:
子宮の中に細い器具を挿入し、子宮内膜の細胞を採取して調べます(内膜細胞診)。
経腟超音波で子宮内膜の厚みを確認し、子宮体癌がより強く疑われる場合には、子宮内膜吸引組織診を行うことがあります。
詳しくは(検査ページへ)
推奨される方:
不正出血のある方、閉経後にも月経様の出血がある方は早めの検査をおすすめします。
上記症状がなければ通常は不要ですが、ホルモン療法中の方については1年に1回以上の検査が必要です。

乳がん検診

対象部位:乳腺(乳房)

日本人女性に最も多いがんのひとつです。
40歳以上の女性は定期的な検診が推奨されています。

検査方法:
当院では乳腺エコー(超音波検査)を行っています。
痛みが少なく、しこりや乳腺の状態を詳しく調べることができます(マンモグラフィは提携医療機関への紹介となります)。
詳しくは(検査ページへ)
推奨頻度:
40歳以上は2年に1回のマンモグラフィが推奨されていますが、閉経後であってもホルモン補充療法中であるなど、乳腺が密な若年女性にはエコー検査の方が適している場合もあります。30代でも希望があればエコー検査を受けることができます。
ホルモン療法中の方は、乳がんがある状態であれば発育を促進してしまうため、1年に1回以上の検診が必須です。
また、近年は「妊娠関連乳癌」が話題に上りつつあり、妊娠前、あるいは妊娠初期に乳がん検診を受けておくことをお勧めします。

大腸がん検診

対象部位:大腸(結腸・直腸)

女性のがんによる死亡原因の上位に位置する大腸がん。60歳以上の女性では最も頻度の高いがんです。
初期には自覚症状がほとんどないため、検診の重要性が高いがんの一つです。

検査方法:
便潜血検査(2日分の便を採取して出血の有無を調べます)。
陽性の場合は、大腸内視鏡検査が必要になります(専門医療機関をご紹介します)。
推奨頻度:
40歳以上の方は年1回の便潜血検査が推奨されています。